特定調停

裁判所を利用して借金を減らし(減額されるかは借入れ期間、利率、借入額、返済方法などによって変わります)、原則無利息で3年から5年間で債務の返済を行う手続です。

裁判所での費用が最も安く、専門家に頼ることなく、ご自身での手続も可能で、他の債務整理に比べて最も費用負担の少ない手続です。手続の内容としては、調停委員、債権者、債務者の三者で話し合いをして、借金を減額し無利息での借金返済を求めて行くという形で進めることになります。

手続きの流れ

①簡易裁判所への申立

債権者は申立人への取立てができなくなります。

②裁判所による調停委員の指定

専門的な知識をもった調停委員が選任されます。

③調停成立に向けた当事者間の協議

申立人は何度か裁判所に足を運ぶ必要があります

④調停成立

裁判所で調停調書が作成されます

⑤返済開始

(注)調停が不成立となる場合があります。 → その他の債務整理手続(任意整理自己破産個人民事再生

任意整理との違い

任意整理は弁護士・司法書士が裁判所を介さずに各債権者と交渉を行いますが、特定調停は裁判所が債権者と債務者の間に入って債務整理案を作成していくところが大きく違います。
また、調停が成立すると調停調書が作成されますが、これは確定判決と同じ効力が認められていますので、調停成立後に支払いができなくなると債権者は訴訟を提起することなく、直ちにこの調停調書に基づいて給与の差押え等の強制執行手続ができるので注意が必要です。

メリット

  • ・費用が低廉で、専門的知識がなくても比較的簡単に利用できる
  • ・他の債務整理手続きに比べて早く解決できる(申立後1ヶ月程度)
  • ・利息制限法に引き直し債務を縮減できる
  • ・手続き中の強制執行を止められる
  • ・債権者との交渉は調停委員がしてくれる

デメリット

  • ・事故情報になってしまい、今後数年間は借入ができなくなる
  • ・調停成立後、支払ができなくなると給与等の差し押さえをされる可能性がある
  • ・債権者ごとに手続きが進行する
  • ・債権者(相手方)を調停に参加させる強制力はない
  • ・過払金の返還請求はできない